音楽のほとりで


2人はホテルを出て、とりあえず凱旋門を目指して歩くことにした。

ホテルから凱旋門までは歩いて20分ほどで行くことが出来、散歩をするにはちょうどよい距離である。

「僕たちが出会ったのは真逆の季節でしたね」

「ホットワインが美味しい季節ですよね」

「ですね」

奏音は、その時のことを思い出して懐かしい顔をする。

「でも、あの時桜さんよく僕の誘い受けてくれましたよね」

奏音は、今思うとそのことが不思議に思えてくる。

「なんか、外国にいると日本人だけでどこか親近感が湧くじゃないですか」

「分かります」

「だからですかね」

日本とは違った雰囲気の街並みは、何回来てもどこか馴染みがなくて、それがまた新鮮な気持ちにさせてくれる。

日本とは違って色が多くないせいで、街に統一感があるのが、ヨーロッパらしくて良い。

「冬と夏のフランスって違いますよねやっぱり」

「そうですよね。冬だったら今の時間だったらもう薄暗いですし。実は私、学生の頃にフランスに留学していてパリでのクリスマス、2度目だったんです」

と、桜はまだ明るい空を見る。

「そうだったんですね、たしかに初めてという感じはしませんでした」

「奏音さんは、結構フランス来るんですか?」

「そうですね、わりと来ますね。だけどやっぱり何度来ても飽きませんね」

「ですよね」

話していると、遠くの方に凱旋門が見えてくる。

そしてその間には有名なシャンゼリゼ通りがあり、凱旋門に向けて一直線に伸びていた。