ようやくスーパーに着く頃にはスムージーは全てルイの胃の中にあった。

籠を持って、南に書いてもらった紙をポケットから出してそれらを見つけていく。

久しぶりのスーパーでは、ルイには食材がまるで宝石のように見えた。

特に、たくさん並べられたつやつやの林檎なんかは、この前南が買ってきたそれよりも美味しく見えて、ルイは赤いのを1つを手に取ると籠の中へそれを入れる。

他にもお菓子コーナーへ行くと、見るからに美味しいであろうチョコレートが並べられてあり、その種類の多さにどれを買おうか迷ってしまう。

「99?!」

その中でも目を引いたのものが、カカオ99%のチョコで、ルイはそれを1つ手に取ると、じっとそれを見つめて味の想像をしてみるが、なかなか思いつかないものである。

ピアノを弾いていた時のルイは、食べ物にはあまり関心を示さずにこんな風にチョコレートコーナーを彷徨くことさえなかった。

ルイはそれをそっと籠の中に入れると、もう1つは彼もよく知っている甘くて美味しいチョコレートを手に取った。

「よしっ」

一通り店内を回り、南のメモに書いてあるものが全て揃っているかを確認して買い物を済ませる。

ようやくルイは、再び家に向かって歩き始めた。