次にルイがその姿を現した時には、あの長く顔を隠していた髪はさっぱりと短くなり、今まで前髪で隠れてた日光の眩しさにルイは思わず目を細める。

しかし、それにも徐々に慣れてきてゆっくりとその細めている目を開く。

一言で言うならば、髪型が変わっただけだ。

しかし、ルイの心にはそれ以上の変化があり、彼は眩しく街を照らす太陽に目を向ける。

「よしっ、次は靴だ」

はっきりと古ぼけたそれを見て、ルイは再び思わずははっと笑ってしまう。

この靴がいつ買ったものだったかを思い出そうとするも、そんな過去のことはもうどうでも良いと思い、次は靴屋に向けて歩き出す。

「お、ここ良いかも」

と、ルイの目に入ってきた店のショーウィンドウには、数種類の革靴が飾られてある。  

茶に黒に、どれも高級感が漂っている。

ルイはそこに入ると、時間を掛けずに気に入った靴を見つけた。

試しに履くと、新品の靴のあの硬さが伝わってくる。

革靴を1足と、もう1足は散歩用にとスニーカーを購入した。

それは、これからのフランスでの生活の第1歩となる大切な靴であった。

自分の用事を済ませ、ようやくスーパーに向かうかと思いきや、喉が渇いたのであろう、ルイはカフェへと吸い込まれるように入って行く。

そこでスムージーを購入して、再び外に出た。