「葵、もう幼なじみごっこはやめよう」 「ゆう、や?」 「ずっと嫌だったんだ。疲れた。幼なじみってだけで葵といるのが。 別に全然好きでもないのにさ。だからもうおしまい」 わたしは今度こそ理解できなくて、そのまま頭が真っ白になった。 足に力が入らなくなって座り込む。 「おい、なにしてんだ授業はじまるぞ」 予鈴がなって、先生がきた。 それをみて生徒たちは一気に教室に戻っていく。 「葵、いこう」 そんなわたしの手をひっぱってくれたのは航ちゃんだった。