「両想いなんだぞ?」

「あはは。そうだったら本当にいいのにね」

「本当だよ。あいつは、ずっと葵のことしか考えてないよ」

「え?」

「葵にもう一つ黙ってたことがあるんだ」

「なに?」

「2学期入ってすぐくらいにさ、葵の上履きなくなったことあったの覚えてる?」

それはよく覚えてる。

はぶられたりしても、モノがなくなるっていうのははじめてのことだったのもあるし。