「冗談だから、そんな怖い顔しないでよ」

「冗談でもいっていいことと悪いことがあるだろ。それにお母さんたちだって心配してるだろ?」

「・・お母さんたち?心配?ふざけないで、あんなのお母さんでもなんでもないから」

梨花子は突然怒りだして、吐き捨てるように言った。


「梨花子?」

でもお母さんというワードをだした瞬間、一瞬悲しそうな顔をしたのを俺は見逃さなかった。

「あの人の話はしたくない。学校は明日から行くから。先生にも連絡するから、だから帰って」


突然人が変わったように梨花子はそういう。


「なにか、あったのか?」

「いいから、お願い帰って」

「・・わかった」


これ以上何も聞けなくて、俺はそのまま梨花子の家をあとにした。



次の日梨花子はちゃんと学校にきた。

昨日のが嘘のように、そして学校にきていたときと変わらずに、梨花子はそこにいた。