火曜日。


夏月のレストランの前にワゴン車が停まった。


人「すげーのどかじゃん」


エ「おぉ、俺の実家と似てる」


7人がゾロゾロと降りてくる。


臣は農場の方を見渡して夏月を探す。


夏月の方が先に気づき大きく手を振った。


夏「臣く〜ん」


夏月は車のそばまで走って来た。


夏「思ったより、早かったね」


臣「うん、道すいてたし…」


人「臣っ、早く紹介しろよ」


直人は小声で、急かす。


臣「あぁ、そっか。えっと、…」


臣が慌てていると、夏月は臣の顔を見て笑う。


夏「自己紹介するね」


臣「うん、よろしく」


夏月は、メンバーの方を見た。


今日は夏月も長靴に作業着姿といつもと変わらない笑顔。


夏「はじめまして、夏月です。今日はこんなところまで来て下さってありがとうございます」

隆「なっちゃん」


隆二がニコリと笑って、小さく手を振った。


夏「あ、隆二さん。この前はありがとうございました」


健「隆二だけ、なんかずるいな」


隆「健ちゃんも今日会えたからいいじゃん」


健「まぁ、そうやけど」


隣にいた岩田が小声で、健二郎に話し掛ける。


岩「健二郎さん、臣さんの彼女なのにやきもち焼くのおかしいでしょ」


健「そうなんやけど、あの笑顔で話しかけられてみ、臣やなくても運命と思うで」

二人がコソコソ話している後ろにいた直己。


己「よしっ、じゃがいも掘りに行くか」


会話を遮るように、二人の背中をポンと叩いた。