私は,佐倉美樹。彩歌高校一目立たない女子だ。普段は教室の隅で読書をして,存在感を消している。だから,教師でさえも私の名前を間違えることもある。
そんな私がなぜ今こんなイケメンの後輩に告白されているのでしょうか………。女子からの視線が痛い…。誰か助けて〜〜!

数時間前
「速水先生の新刊『ストロベリーナイトラブ』最ッ高!茉優も読んでみなよ!」
「はいは〜い。ホント美樹って読書好きだね。でももうこんな時間だよ〜そろそろ帰らない?」
「たっ確かに!バイト間にあわない!」
親友の結城茉優に愛読書をすすめるつもりが,バイトに間に合わないところだった。
私は駆け足で教室を出た。

「あれ?こっこれはもしかして………。」
私が下駄箱を見ると,白い封筒が入っていた。
「もしかして……!」
追いかけてきた茉優も封筒に気がついたようだ。
「ラブレ……」
「果たし状だああああああ!」
「……っては!?いやこれはどう考えてもラブ…………」
「どうしようどうしようどうしよう!4時30分に校舎裏って……,もう4時20分だよ!」
「いや,だから…………」
茉優は誤解を解こうとしたが,このままの方が面白そうだと思い,放っておくことにした。
「そうだね。早く行かないとやばいよ!ボッコボコにされるね。バイトは今日は休みな?顔を殴られて,バイトできなくなるよりはいいでしょ?」
「茉優の言うとおりだ!急がないと!行ってきます!」