カラオケに移動した俺と一条は取り敢えず気を取り直してLINE交換をした。

その方が会話も楽だしな。

一条から聞いた話だと、幼い頃歌手を目指していたらしいが手術ミスにより、 声が出なくなってしまい、歌手になる夢を諦めざるを得なかったらしい。

それでも、音楽の道を諦めきれなくて、作詞作曲を始めたらしい。

『KENTOさんの大ファンでいつか私が作った曲を歌ってもらうのが夢だったんです。声を出すことができなくなってから、いつもKENTOさんの歌声に励まされてきました。』

LINEでそう送られてきて驚いて一条を見た。

一条は、少し照れくさそうに笑みを浮かべた。

つられて俺も照れる。

「ありがとう…」

素直に褒められるのって嬉しいな…