俺が、歌い手を目指したのは憧れの人がいたからだ。

その人も、歌い手で主にオリジナル曲を出して…とても綺麗な歌声の女性だった。

大人っぽい声に少し切ない曲…

初めて、その人の声を聴いた時俺の中の世界が変わったような気がした。

中学一年生の春のことだ。

だが、俺が中学三年生になるとその人のアカウントは完全に消えていた。

アルバムも出しておらず、もうその人の歌声は聴くことができなかった。

でも、その人へのあこがれが忘れられなくて高校一年生に俺も歌い手になると決心したのだ。