My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2


 こちらに向けられた深いブルーの瞳が蝋燭の灯りに揺らめいて、とても綺麗で――。

「カノン! おい、聞いてんのか!?」
「は、はい! 聞いてます!」

 慌てて答えながらもなぜだか顔がとても熱くて、そんな自分に戸惑いを覚えた。――丁度、そんなときだった。

「お邪魔かな?」

 突然割り入ってきたその楽しげな声に、私とラグの視線が同時に外れた。

「エルネストさん!」
「金髪野郎!」

 ラグはすぐさまベッドから立ち上がり私の横に並ぶ。
 その視線はドアの手前。そこに彼の、エルネストさんの姿があった。

 ――光と闇とが大きくゆらぐ部屋の中、彼にだけはそのどちらも映らない。

「無事でよかった、カノン」

 いつものように微笑みかけてくれるエルネストさん。
 でも今日はその笑顔が少し翳って見えた。その理由はすぐにわかった。

「ごめんね。怖かっただろう」

 気遣わしげに言われて、喉の奥が詰まった。

 ――まただ。

 彼の笑顔を見るとすぐ胸がいっぱいになってしまって、優しい言葉をかけられるとこうしてすぐに涙がこぼれそうになる。

 言いたいことも訊きたいこともたくさんあるのに。
 彼とは少しの間しか話せないというのに――。