こちらに向けられた深いブルーの瞳が蝋燭の灯りに揺らめいて、とても綺麗で――。
「カノン! おい、聞いてんのか!?」
「は、はい! 聞いてます!」
慌てて答えながらもなぜだか顔がとても熱くて、そんな自分に戸惑いを覚えた。――丁度、そんなときだった。
「お邪魔かな?」
突然割り入ってきたその楽しげな声に、私とラグの視線が同時に外れた。
「エルネストさん!」
「金髪野郎!」
ラグはすぐさまベッドから立ち上がり私の横に並ぶ。
その視線はドアの手前。そこに彼の、エルネストさんの姿があった。
――光と闇とが大きくゆらぐ部屋の中、彼にだけはそのどちらも映らない。
「無事でよかった、カノン」
いつものように微笑みかけてくれるエルネストさん。
でも今日はその笑顔が少し翳って見えた。その理由はすぐにわかった。
「ごめんね。怖かっただろう」
気遣わしげに言われて、喉の奥が詰まった。
――まただ。
彼の笑顔を見るとすぐ胸がいっぱいになってしまって、優しい言葉をかけられるとこうしてすぐに涙がこぼれそうになる。
言いたいことも訊きたいこともたくさんあるのに。
彼とは少しの間しか話せないというのに――。



