「で、お前は?」
「あ、私はもう平気! 完全に治ったみたい!」

 私は笑顔で言う。
 でもラグは疑っているのかまだ眉を寄せたままだ。

「色々迷惑掛けちゃってごめんね。ホントにもう平気だから!」
「……本当だな」
「うん!」

 信じてくれただろうか?
 でも何となく彼が安堵したのがわかって私は笑顔のまま続ける。

「ありがとう。心配してくれて」
「心配っつーか、だからオレはお前に死なれると困るって」
「うん、わかってる。でも言わせて?」

 そんな私を彼は少し驚いた顔で見下ろした。

 ――ちょっと気恥ずかしいけれど、ずっと言いたかったことだから。

「いつも助けてくれてありがとう! 私、ラグがいてくれて本当に良かった。面倒だと思うけど、これからもよろしくお願いします!」

 昼間セリーンにしたときと同じように頭を下げて言う。

 本当はノーヴァで言うはずだった言葉。危うく言えなくなるところだったけれど、だから、こうして言うことが出来て、とてもすっきりとした気分だった。だが、

「あー……くそっ!」

そんなイラついた声に顔を上げると、ラグは顔を伏せ考え込むようにして額を押さえていた。