My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2




 再び日が昇ってもカノンちゃんは見つからないままだった。

 しかし手掛かりはあった。
 明け方再度ランフォルセの方へと飛んでいる時に、街道のど真ん中に雪に埋もれかけたモンスターの死がいを見つけたのだ。ソレには剣による傷跡があった。
 セリーンは「カノンを攫ったあの男に違いない」と、自分の利き腕を握り言った。

 これで街道を進んでいることは間違いないとわかったのだ。

 ――そして、流石に瞬きの回数が増えてきた頃、ラグが叫んだ。

「いた!」
「マジか!?」

 俺はラグの向こうを見る。すると確かに走っている馬が見えた。
 ここからでは一人しか確認できないが、あれはグラーヴェ兵の使う夜馬に間違いない。

「ビアンカ頼む!」

 ラグが鋭く言うとビアンカはその速さをぐんと増した。
 馬が急にふらふらとし出し足をもつれさせたのはその時だった。

「なんだ? 急に」
「あいつ……っ」

 ラグが毒づくように言う。

 馬を追い抜きざま、俺はカノンちゃんの髪の毛が銀に輝いているのを見た。

 グラーヴェ兵がカノンちゃんに向かい手を振り上げるのと、ラグが風を呼ぶのはほぼ同時のことだった――。