あの日、紅苺が初めて始末をした日。

あの日から、紅苺と游鬼さんが " 遊び " をしていることには気付いていた。
だからって模索するつもりもなかったし、好きにやってくれ、って感じだった。




けど、何故か。

何故か最近、夜に二人の音が聞こえる度に、昔、初めて抱いた感情に似たものを感じるようになった。




『 あれ、まだ起きてたんですか。 』

「 そっちこそ。 」




ある夜、なかなか寝付けず、仕方なくリビングへと足を運んだ。それが二人の音のせいなのか、単に眠れないだけなのかは知らないけど。

適当に水でも飲むかと階段を降りると、明かりがついていたから、晴雷さんが仕事から帰ってきたのかな、とも思った。


だけど、そこに居たのは烏禅だった。




『 寝れないんだったら、ゲーム付き合ってくださいよ。 』

「 うん、いいよ。 」




僕はその言葉にそう答えて、テレビの前に座っている烏禅の横に腰を下ろした。

コントローラーを手渡されて、簡単に操作を説明される。眠れなければゲーム、暇があればゲーム、仕事前にもゲーム。
僕には仕事以外にしようと思うことなんてないから、それが不思議で仕方が無かった。

烏禅は、仕事がない日は一日中ゲームをしているんじゃないか、ってくらいのゲーム好き。主食はインスタントのラーメン、市販で売っているグミ。


…不健康極まりない。




「 明日仕事でしょ、寝なくていいの? 」

『 え?あー……あ、 』




早速ゲームを始めて、バトルをしていた時。
僕の質問に言葉を詰まらせた烏禅は、小さなミスをして負けてしまった。

烏禅がゲームで負けるだなんて、随分と珍しいことだ。




『 いや、ちょっと眠れなくて。 』

「 二人が…游鬼さんと紅苺が、遊んでるから? 」