柔らかい雰囲気を纏った彼が人を殺すなんて到底想像出来ないけど、だからこそ興味深い。


一体彼らは、どんな殺しをするのだろうか。




『 晴雷さん、何か飲みますか? 』

『 いや、大丈夫。シャワーだけ浴びてくるよ。 』

『 そうですか…じゃあ、先に寝ますね。 』

『 俺も寝る〜。水飲んだら眠くなっちゃった。 』




晴雷さんが脱衣所へ向かうと、紅苺さんと游鬼さんはそう言い、二人で眠そうにしながら階段を登っていった。

… " 遊び " 疲れて、眠くなってしまったのだろうか。
そんなことを考えながらペットボトルを冷蔵庫の中にしまい、気を紛らわせようと、スマホの中にあるゲームを起動させた。




『 …僕は、君が分からないよ。 』

「 ……え? 」




だけど、すぐにその画面を消した。
その理由は、狂盛さんが突然そんなことを言ったから。

いきなりどうしたんだろうと思いながら顔を上げると、狂盛さんは視線をパソコンに落としたまま、言葉を続ける。




『 君はさ、紅苺のことが好きなんでしょ? 』

「 なっ…?! 」

『 見てればすぐに分かるよ。晴雷さんだって、游鬼さんだって知ってる。 』




けど狂盛さんの口から出た言葉は予想外のもので、今飲み物を飲んでいたとしたら、それを吹き出していたところだっただろう。


…俺が紅苺さんを好きだってことを、游鬼さんも知ってる、なんて。
それが本当なのだとしたら、游鬼さんは俺の思いを知っていながら彼女と " 遊び " をしていることになる。


彼らが " 遊び " をする理由は知らないけれど、少しだけ胸が痛くなった。




『 游鬼さんと紅苺の " 遊び " のことは、烏禅も知ってるでしょ? 』