「……黒河芽玖(クロカワガク)」
「白河波奈です」
黒河芽玖って言うんだ。
ふーん。
特に興味ないあたしとは正反対に、先生は、
「がく……あぁ!!」
頭の上で電球を光らせた。
「電球だぁ…!」
「見えねーよ!」
横で黒河が何か言ったっぽいけど、あたしは構わず先生を見ていた。
「お前、芽玖か!」
なにやら興奮気味の先生。
あたしと黒河は、ついてけてない。
「先生、落ち着きなはれや」
あたしは先生を宥める。
先生は一度深く息を吸い、今度は落ち着いた声で話す。
「芽玖。恩師を忘れるとは、お前の未来はないな。」
「恩師だと…?」
オンシって、恩人の恩に師匠の師の恩師?
黒河は、先生の顔をまじまじと見つめ直す。
「…………………………………………………………………………………………………………ケン?」
け、けん?!

