そんなちょっとふざけた名前の学校に、あたしは入学するわけなんだけど。



まず、あたしって誰だ。



自己紹介が遅れちゃった。



あたし、白河波奈(シラカワハナ)。



とくに色が白いわけではないんだけどね!(←誰も聞いてない)



入学式の真っ最中であろう体育館を覗こうとすると、なにやら先客が
いた。



…同じ新入生かな?



中に入りたいのか、入りたくないのか、上半身だけを体育館内にいれて、中の様子をうかがっている。



その背中は何とも間抜けで、見ず知らずの人だけどあたしの悪戯心がうずく。



“――――ツンっ”



人差し指に、持っている全神経を集中させ、その人の背中を押してみた。