興味が無いだなんて、狂盛さんらしい答えだけど。それが少し寂しいような、距離を取られているような感覚だった。
でもきっと、狂盛さんのことだから、誰にでもあんな感じなんだろう。




『 あーあー、相変わらず冷たいな〜。紅苺ちゃんこっちおいで、俺が癒してあげる。 』

「 …大丈夫です。 」




断ったのに、游鬼さんは隣に座る私の肩を抱き寄せる。その感覚が嫌ではなかった私は、特に抵抗することをしなかった。
それを感じ取ったのか、游鬼さんは麦酒の缶を机に置いてから私を抱き寄せる。游鬼さんの胸に顔を埋めると、彼の香水の香りと、微かに混じった鉄の匂いがした。

もう、この匂いも随分慣れてきた。
慣れてきたけど、どうも好きにはなれない。




『 ね、こうすると落ち着くでしょ〜。 』

「 …。 」




私の背中をポンポンと叩く游鬼さんに頷くと、更にぎゅーっと抱きしめられた。
ナイトプールでキスしたことを思い出して少しだけ恥ずかしくなったけど、それも今更だしな、って感じ。


それから晴雷さんにそのパーティの話を聞いたり、当日どうやって桜翅を始末するのかを話し合っていた。




『 狂盛の言うことは、いつだって真っ直ぐだよ。良くも悪くも、真っ直ぐなんだ。あいつの言葉に悪気がないのは、紅苺も知ってるでしょ? 』

「 …はい、分かってます。 」

『 なら話は早い。僕達は、君がちゃんと出来る子だって知ってる。だからこの日は、紅苺に一人で潜入してもらうことにするよ。 』




晴雷さんは『 もちろん、無線でちゃんと僕達が支持する。会場には入れないけど、ちゃんとそばで見守ってるから。 』と続けると、そっと私の手を握った。
それを見た游鬼さんが少しだけ私の体を離し、髪を撫でる。