目覚める。休日はいつも二度寝するのだが、あまりの蒸し暑さにそんな気も起きない。もう9月だというのに、昨日も真夏日の暑さだったとお天気お姉さんが言っていた気がする。タオルケットを蹴飛ばし、ベッドを降りる。メガネをかけスマホを充電器から抜き取り新着メッセージを確認した後、階段を降りた。

おはよー

返事は返ってこない。
飼っている犬が駆け寄ってくる。いつもは呼んでもこないくせにお腹が減っている時と、散歩に行きたいときだけすり寄ってくる。まったくずる賢い犬だ。父は仕事、母の仕事は休みのはずだから、池袋にエステにでも行っているのだろうか。

犬にエサをあげる。私の朝食はどうしようかな。冷蔵庫をのぞくと牛乳とあんずジャムがある。ならあとは食パンを焼くだけだ。
私はカリッと焼けた食パンにあんずジャムを塗る。食パンの焦げ目がザリザリと心地よい音を立てる。スマホで漫才の動画を見ながら熱々の食パンを頬張り何回か咀嚼したあといっきに牛乳で流し込む。優雅な朝食である。

今日は何をしようかな。そういえば昨日は帰ってきた模試について母にこっぴどく叱られた。少し腹がだった。しかし、母に言われたからというわけではないが今日は勉強でもしようかな。最近スマホばかりいじっているし図書館にでもいって気分をリフレッシュしてみよう。

犬の散歩にいって、着替えやらなにやらの朝の準備を済ませたらあっという間に時計は12:00を回っていた。そろそろ図書館に向かおう。テレビを消し鍵をかける。外は晴れていたがどこかじめっとした生温い風が吹いていた。汗がじんわりと体を湿らせていく。図書館には自転車で行こうと思っていたが、暑いのでバスで行くことにした。バス停に向かう。昼間は暑すぎて犬を散歩する人もいない。


バス停に着くと時刻表の時間ぴったりにバスが来た。パスモをかざしバスに乗り込むと車内は冷房でキンキンに冷えており、汗が引いていくのを感じる。しかし、休日の昼間なのにこうも人がいないとはさすが田舎だなと思った。私の家は駅から20分かかるし、坂がとても多い。東京に住みたいなあ。などと考えているといつのまに終点の西見駅についていた。

いつも通り運転手にありがとうございましたと一礼して降車するつもりだったが、運転手の姿がない。