瀬野ちゃんは合唱部。私は選択授業が音楽で一緒なのだけど、すっごいきれいなソプラノが印象に残っている。


「あのね、クッキー焼いたんだけどね。よかったらどうかなって思って」

「わーっ、すごーい!」


可愛い紙袋の中には、これまた可愛い箱が入っていて、中には美味しそうなクッキーがいっぱい入っていた。


「いいの? こんなにいっぱい?」

「うん、よかったら。つい作り過ぎちゃって」


あははと照れ笑いする瀬野ちゃんを、ハルピンがニヤリと笑って冷やかした。


「カレ、瀬野ちゃんの手作りお菓子大好きなんだもんねー」

「池ちゃんっっ」

「すげー、カレ君は幸せだな」

「もう!澤君だって、彼女さんの手作り梅干しとか食べてたでしょ? すごいよー」

「うん。俺も幸せ」


(なんか、みんなって……)