私の呟きに、ハルピンと澤君は「ふーむ」と考える顔をした。
「溝口にとって三谷はたった一人の心の友だったわけか」
「ハルピン、呼び捨てって……」
「溝ちゃんさ」
「うん?」
「俺のこと好き? 友達として」
唐突な質問。でも、まったく迷わなかった。
「もちろん」
澤君はすごくいい奴だもん。
「俺も好きだよ。友達として。池ちゃんも溝ちゃんも」
澤君はにっこり笑ってくれた。
「俺は恋バナとか聞いてもらって、頼りにしてますっていうのもあるしさ」
澤君には“マーヤ(真綾)さん”という市内の女子高に通う彼女がいる。
澤君は絶対に彼女の愚痴を言わない。
でも、「失敗したなぁ」みたいなときに懺悔の告白という反省をしに私たちのところに来たりするのだ。
「溝ちゃんは三谷氏の恋バナとか平気で聞ける?」
「えっ」
「頼りにされたら嬉しい? 心から応援したいって思える? どう? 想像してみ?」
「それは……」
ひどく心が騒めいた。
三谷くんに信頼されたいと思ってた。力になれるのが嬉しかったはず、なのに……。
「たぶんだけど、溝口はずっと三谷のことが好きだったんじゃない?」
「ええっ」
「きっと、恋をする余裕がなかったからわからなかったんだよ」
(余裕が、なかったから……)
「溝口にとって三谷はたった一人の心の友だったわけか」
「ハルピン、呼び捨てって……」
「溝ちゃんさ」
「うん?」
「俺のこと好き? 友達として」
唐突な質問。でも、まったく迷わなかった。
「もちろん」
澤君はすごくいい奴だもん。
「俺も好きだよ。友達として。池ちゃんも溝ちゃんも」
澤君はにっこり笑ってくれた。
「俺は恋バナとか聞いてもらって、頼りにしてますっていうのもあるしさ」
澤君には“マーヤ(真綾)さん”という市内の女子高に通う彼女がいる。
澤君は絶対に彼女の愚痴を言わない。
でも、「失敗したなぁ」みたいなときに懺悔の告白という反省をしに私たちのところに来たりするのだ。
「溝ちゃんは三谷氏の恋バナとか平気で聞ける?」
「えっ」
「頼りにされたら嬉しい? 心から応援したいって思える? どう? 想像してみ?」
「それは……」
ひどく心が騒めいた。
三谷くんに信頼されたいと思ってた。力になれるのが嬉しかったはず、なのに……。
「たぶんだけど、溝口はずっと三谷のことが好きだったんじゃない?」
「ええっ」
「きっと、恋をする余裕がなかったからわからなかったんだよ」
(余裕が、なかったから……)