つくづく思い知らされた気がする。

自分がどれだけ卑怯で臆病かということを。

今まで勉強しかしてこなかったから、人と深く関わることから逃げてきたから、だからこんなふうに怯むんだ。

人と真剣に接することを怠けてきたから、だから……。


三谷くんが伝えたいことは何ですか?

それはとても難しいことですか?

こんな私でも、受けとめることができますか……?


「お茶、どれにするか決まった?」

「えっ、あぁ……うん」


私が慌てて冷蔵庫から緑茶を1本取り出すと、三谷くんが上からひょいと取り上げた。


「じゃあ、ちょっと待ってて」

「えっ、いいよ。悪いもん。自分で買うよ」

「悪くないよ。だって、つき合わせちゃってるのは僕だから」


(そんなことないのにな、ぜんぜん……)


駅へ続く並木通りはちょっとした公園通りになっていて、コンビニを出た私たちは、小さな噴水の近くのベンチに座った。


「溝口さん、パピコ好き?」

「え?」

「半分どーぞ」

「あ、ありがとう」

「僕、これ食べるの久しぶりだ」

「そうなの? 私はわりと食べてるかも。学校の売店にもあってね。友達と半分こして食べるの」

「へぇー、そっかぁ」