それって、それって、それって……?

私のためにわざわざ来てくれたってこと? 

そういうこと、だよね……???


「僕、どうしても溝口さんに伝えたいことがあるんだ」


(えっ……)


街の喧噪が瞬時に消えて、心が真っ白な静寂に包まれた。

胸の鼓動がどうしようもないほど速くなる。


(私に伝えたいことって……)


「あ、そろそろ青だ」

「へ?」

「とりあえず渡ろうか」

「う、うん……」


歩行者信号が青になって「ピヨピヨ」の音が流れだす。


(私の頭の中もピヨピヨだよっ……)


信号を渡り切ったところで、私はたまらずに言った。


「コ、コンビニ寄ってもいいかな? 喉乾いたから、お茶買いたくて……」


喉はカラカラ、
頭はピヨピヨ、
胸はドキドキ。


営業中のローソンが、まるで砂漠のオアシスみたい。ああ、開いててよかった(?)


(私、今どんな顔をしてるんだろう?)