私が力いっぱい答えると、三谷くんはちょっと照れたように笑って言った。

「真剣にバカなことやっちゃいましたって感じかな。体育の柔道でクラスの奴と白熱してさ。仲良く二人とも反省文。説教するほうも“母ちゃんからもらった体は大事にしろ”って笑ってたけどね」

「へぇー。なんか楽しそう」


うちの学校のカラーとは違っていて、新鮮で、おもしろいなと思った。


「溝口さんは? 学校どう?」

「あ、楽しいよ」


即答していた。

そして、即答している自分に「おおっ!」って思った。


「えーとね、うちの学校ってのんびりした子が多いって言われてるんだけど。私のクラスも穏やかな人が多くて、男女で仲良いし雰囲気もすごくいいんだよ」

「そっか……そうなんだね、なるほど」


(三谷くん?)


残念そうなのは気にせい? 

ひょっとして“僕も共学行けばよかった”とか? 

三谷くんってそういうキャラではなかったと思うけど。 

でも、男子高とか女子高って出会いがぜんぜんないって、上沼さんがしきりに言っていたし。


(それじゃあ、三谷くんも……?)