優等生の恋愛事情

共学校しか知らない私は素朴な興味で聞いてみた。


「男子高ってどう?」

「漠然とした質問だね」


困ったように笑う三谷くん。
でも、一生懸命(?)答えてくれた。


「まあ楽しいかな。とにかく気楽だよ。なんていうのかな、いくらでもバカできるっていうか。ウチはとくに寛容というか放任だから、野郎ばっかでバカばっかやってるって感じかな」

「なんか、女子高の人も“女しかいないと気楽だ”って言ってたけど。やっぱりそういう感じなのかな?」


(女子だけなんて、私だったら逆に気づまりしちゃいそうだけど……)


「異性を意識しなくていいって、やっぱり楽なのかも。それがいいことかどうかは別として。男なんてアホだからふざけすぎちゃうこともあって。僕、体育でやらかして眼鏡が壊れてさ」

「ええーっ!」

「先生には説教され、親には自腹で買いなおせと言われ。そうしたら、叔母が“コンタクトにしてみたら”って買ってくれたんだけど」

「それでコンタクトに……」

「でも、やっぱりちょっとしっくりこなくて。眼鏡に戻すつもり」

「そうなんだぁ。でも、三谷くんが先生に叱られるとかって想像できないよ」

「そうかな?」

「そうだよ!」