優等生の恋愛事情

そうして、私たちは駅へ向かって歩き始めた。

みんなが行くカラオケ屋さんとは反対方向なので、ばったり会うってことはなさそうだ。

そう思うと、やっぱりどこかほっとした。


「なんとも言えないクラス会だったね」


苦笑いする三谷くんに、私も思わず苦笑い。


「本当にね。まあ、卒業したのはついこの間だし」

「けど、思ったよりみんな変わっていて僕は驚いたかな」

「三谷くんこそ」

「うん?」

「変わっていてびっくりしたよ」

「僕が?」

「そう。“僕”が」

きょとんとした顔の三谷くん。これじゃあ、加藤さんたちの猛烈アピールもよくわかってなかったかも?


「背、伸びたよね?」

「ちょっと伸びたかな? 180ないくらいか?」

「ええっ、そんなに!ちょっとじゃないじゃない!」

「でも、男子高なんて男ばっかだから。僕と同じくらいの奴なんて普通にいるし。もっと大きい奴もいるからさ」

「ふーん、そっかぁ」