「聖くん?」
「ん、あ、何?」
私の呼びかけに答えるけど、顔はやっぱり上の空。
「どうしたの?」
「……ごめん」
ようやく発した言葉は、謝罪の言葉だった。
なんで謝るの?
「美央ごめんな」
全然わからない。
なんで謝ってるの?
疑問に思う私に気づいたのかわからないけど、聖くんは続けた。
「オレさ、自分で言っておきながら勝手なんだけど、もう、美央のそばにいられないよ」
えっ、なんで?
「ごめんな。ホントにごめんな……」
聖くんは、謝り続けた。
「よくわからないんだけど、聖くん。
顔、見せて?」
「ごめん……」
「聖くん」
「美央、ごめん……」
「聖くん!」
「別れよう」
周りの音が、なにも聞こえなくなった。
ワカレヨウ……
ワカレヨウ……
わかれよう……
別れよう……
私の頭の中で、この5文字が整理されるまでには時間がかかった。

