「ごめ…な。今日、遊び行こ…言ってた…のに」
酸素マスクをしているから、声が上手く聞き取れない。
でも、聖くんが一生懸命伝えようとしてくれてるから、私もしっかり耳を集中させた。
「いいの…聖くんが無事でいてくれたらそれだけでいい」
そう言うと、聖くんは微笑んだ。
やっぱり、私の好きな人。
優しい聖くんのままだ。
「美央、そろそろ面会時間終わるよ」
「あ、うん」
まだこうしていたい。
この手を離したくない…
離してしまったら、今度こそどこかに行っちゃいそうで怖い。
ギュッ
「また、明日…な?」
私の考えてることが伝わったのだろうか。
聖くんの手に込められた力のおかげで、心が一気に軽くなった。
私がこんなに弱気でどうするの。
私が、笑顔でいなきゃ。
「うん、明日もまた来るからね!」
そう言って、母と一緒に病室を後にした。

