「聖くん来たよー!」
「……」
「お、今日はちょっと顔色いい?
体調よさそうで安心した!」
いつものように、返ってこない声。
それでも私は、たくさん話しかけた。
病気の進行は早く、聖くんの体はボロボロになりつつあった。
顔面麻痺、言語障害、抗がん剤や放射線治療の副作用による脱毛、吐き気による食欲低下で体重もかなり減った。
本当に、私の知らない聖くんになってしまったと思う。
聖くんから笑顔が消えた日。
聖くんの声が聞こえなくなった日。
正直、すごく怖くなった。
すごくショックだった。
でも今、こうして聖くんと普通に接することができているのは、あのときの聖くんの言葉のおかげなんだ。

