「ねぇ美央、聖夜くんのところに行ったら?」
智香が帰り際に言った。
「でも……」
「いつまでも目を背けてどうするの」
ハッとした。
いつも私の意見に同意してくれていた智香からの、率直な言葉だった。
「美央は、聖夜くんの彼女でしょ?
大好きだから、美央も一緒に頑張るって決めたんでしょ?」
あぁ……っ
大事なことを忘れていた。
『大好きな人が苦しんでるのに、見捨てる方が何倍も辛いよ!』
『ありがとう、美央』
聖くんが病気になった時に交わした言葉。
いつの間にか忘れていた。
「聖夜くんには、美央しかいないの。
だから、行ってあげなきゃ」
智香……
そうだよね。
「私、行ってくる」
「うん、頑張れ」

