その夜、私は病院に泊まった。
明日に手術を控えた聖くんのそばにいて、せめてもの心の癒しになりたかった。
「なぁ美央」
背中の方から、聖くんの声が聞こえた。
「なに?」
「……なんで、オレがこんなことにならなきゃいけなかったのかな?」
こんなに弱ったような声、初めて聞いた。
「オレ、なんか悪いことした?
全然、思い当たることないんだけど」
そう言って、聖くんはへへッと笑った。
「神様は、不公平だな」
私の後ろから聖くんが抱きついてきた。
かすかに、震えている。
「美央、好きだよ。
美央のこと、世界で一番好き。
お前がいれば、他にはなにもいらない」
「聖く……」
「見んな!」
聖くんの方を向こうと体を反したら、止められた。
「オレ、今すげぇ顔赤いと思うから。
恥ずかしい……」
見なくてもわかる。
背中から伝わってくる聖くんの鼓動。
私よりも速い。
「オレ、明日頑張るから。
ただ麻酔うたれて寝てるだけだけど、耐えるから。
今日は……甘えさせて?」
そこまで言うと、再び私をギュッと抱きしめた。
「……っ」
どんどん溢れてくる涙。
こんなところ聖くんに見られたらダメだよ。
でも、なかなか止まってくれない。
それどころか、どんどん溢れてくる。
止まれ……止まって。

