「あ、美央ちゃん」
おばさんが、目を真っ赤にして病室に入ってきた。
「おばさん……なんで?」
何で急にこんなことになったの?
「聖夜ね、最近すごく調子がよかったのよ。
抗がん剤が効いてくれたみたいで、あと少し小さくなれば、手術できてたはずだったのに……
それなのに……また、別のところに腫瘍ができた」
「えっ……」
ベツノトコロニシュヨウ……
頭が追いついていかない。
おばさん、なに言ってるの?
「写真、見るかい?」
そう言って、後ろにいた先生が3枚の写真を見せてくれた。
1枚目は、最初に見たことのある写真。
「これが、ここまで小さくなったんだ」
2枚目を見ると、同じ腫瘍とは思えないほど大きさが違った。
「でも、さっき検査したときに新たな腫瘍が見つかったんだ」
3枚目は、白くて丸い影が2つできていた。
新しく、大きい影ができていた。
「そんな……せっかくここまで小さくなっていたのに、また?」
しかも、よく見てみると……
「これ、脳幹の中じゃない……?」
何度か同じ写真を見てきたから、脳幹がどれかわかるようになった。
なんで聖くんがこんなことにならなきゃいけないの!?
「おばさん、先生……
聖くん、大丈夫だよね?
また、いつものように目を覚ますよね?」
「今は、そのショックで少しパニック状態になって眠っているだけだよ。
でも……」
先生も、おばさんも、その後何も言わなかった。
だって、まだ息してるんだよ?
ちゃんと、心臓動いてるんだよ?
それなのに目を覚まさないなんて……
「私、前に聖くんに聞かれたの……」

