「ん?」

「なんだなんだ?」

「誰?」


授業中、携帯のバイブが鳴り響いた。


みんながザワザワしている。


「誰ですか?」


先生の目がこっちに向いた。


「み、美央!?」

智香の声に、みんなの視線が一気に集まった。

「ひゃー…ごめんなさーい……」


なんでこんなときに鳴るの。


携帯を学校に持ってきた。
電源を切っていなかった。

この2つのことで後でみっちり叱られるだろう。



「え、聖くん!?」


でもら画面に表示されている人の名前を見て、思わず大きな声を出してしまった。


なんで?


いつもなら絶対に来ない時間なのに。



「もしもし聖くん!?
私、今授業中……」



いや、ここで出るなよ。

とクラスメイトからの視線を受けながらも、私は出なきゃいけないという感覚に駆られた。


「美央ちゃん!」


あれ?

この声は……


「おばさん?」


「聖夜が……早く病院に来て!」


そこまで言うと、おばさんは電話を切った。


聖夜がなに!?




よくわかんないけど、聖くんになにかあったのかもしれない。


そう思うと、いてもたってもいられなくなって病院まで駆け出した。