何をアドバイスしてくれるわけでもなく、ただただ一生懸命に抱き締めてくれた。
それだけで少し気持ちが楽になった。
ショウから離れ教室に戻る事を告げた。
ショウは教室まで送ってくれた。戻るとそこには、ナツコの姿。

私が逃げようとすると
ショウがそっと背中を押してくれた。

ナツコは私の手を引き、
席に座った。




「麗奈?泣いてるの、私のせいだょね。
ごめんね。
麗奈の気持ち知ってて…
私ね、麗奈と同じくらいタカシがすきなんだ。
でもタカシより麗奈がすき。
麗奈にわかってほしい。」
ナツコは涙を浮かべながら
ちゃんと目を見て話をしてくれた。


そんなナツコを見て、
私は
「悔しくて悲しいけど、
ナツコは悪くないと思う。
タカシがナツコをすきになったってだけだし…
ナツコもタカシの事すきなら
仕方ないょ。
でも私、すぐ諦められるかわかんなぃ。」
と素直な気持ちをぶつけた。


ナツコは、それでいいと頷いた。