私の前の席のマユミが授業中に手紙をくれた。


『タカシってナツコの事すきだったんだね!
ぁたし、驚いちゃったょ!
麗奈はタカシとナツコの関係理解して絡んでるとか、まぢ尊敬だょ!』


一瞬、周りの空気が無くなったみたいに
苦しくなった。


麗奈はすぐにマユミに返事をした。

『ちょっとぉーっ?私聞いてない。
どういう事?
タカシはナツコと付き合ってるの?いつから?』

質問攻めするしかなかった。
マユミは返事を返さなかった。

授業が終わって、みんなが帰り出す放課後
マユミは私をトイレに呼んだ。

「麗奈ホントに聞いてないの?」

「ぅん…」
うつむきながら言うと、マユミは少し間隔をあけながら話はじめた。

「タカシ、ナツコに告ったんだょ。
でもナツコは時間がほしいって言ったんだって。
で、告られて3日後に付き合い出した。
付き合い出したのが先月の今日だって。
だから今日は2人の記念日ってわけ。」



頭がおかしくなりそうだった。

私は何も知らずにナツコとタカシと一緒にいた。
その時間を幸せと感じながら…


マユミに何も言えず
泣きながらトイレを出た。
今の自分の顔を誰かに見られたくない。
きっと、酷い顔してるから…

私は廊下を全力で走って教室に戻ろうとした。

教室につく少し手前で、人にぶつかった。