それにしても星名の様子はおかしかった。
まるで心を失くしたかのような無の表情。
「ことちゃん、なんか変だった。やっぱり相当傷付いたんだよね...。あたし、何もしてあげられなかった」
それはオレもだ。
オレたちは同罪だ。
「百合野さんや波琉くんが悲しむことじゃないよ。悪いのは加害者だけ」
「そうかな...」
「そうだよ。それに私思うんだけど、加害者だって何の理由もなく湖杜さんを傷つけた訳じゃないと思うの。例えば、カレシを横取りされたとか。そういうので腹が立ってやっちゃったってことも考えられると思わない?だから結局...」
「あのさ」
百合野が立ち止まる。
よく見ると右手が強く握られている。
オレは、百合野の怒りを感じ、背筋が凍った。
「ちょっとこっち来て」
「おい!百合野!」
百合野は汐泉の腕を乱暴に掴み、空き教室に入った。
百合野は汐泉の腕を離すと、壁際まで汐泉を追い込み、真正面に仁王立ちして睨み付けた。
「なんでことちゃんが悪いって決めつけるの?!」
汐泉は俯いたまま何も答えない。
「ねえ、なんとか言いなさいよ!」
「百合野、落ち着け!」
「落ち着けるわけないじゃない!親友が悪者扱いされてんのよ!あんなひどい傷まで負わされたっていうのに、冗談じゃない!」
百合野は全く怯まない。
そりゃ、そうだ。
百合野にとって星名は、百合野の人生で1、2を争うくらい大切なヤツだから。
「ねえ、ちょっと聞いてんの?!黙ってないで、さっきみたいにはっきり言いなさいよ!
それとも、何?あんたがことちゃんをいじめたの?
うわっ、さいってえ!今すぐ先生に言いつけてやる!」
「勝手に犯罪者扱いしないで!あたしはやってない!そんな手荒いことする人じゃないって波琉くんが1番良く分かってる!そうだよね、波琉くん」
百合野がキリッとオレを睨み付ける。
汐泉がいつもの上目遣いでこちらを見てくる。
オレは、どう答えるべきなんだ?
どう説けば百合野も汐泉も納得してくれるんだ?
「波琉!」
「波琉くん!」
オレは...
オレは...
オレは...
どう思うんだ?
何を
誰を
どう思ってるんだ?
「オレは...」
「君たち、こんなところで何をしている?グランドフィナーレが始まるから、さあ、行くぞ!」
言いかけたところで、強面の体育教師が登場し、一時休戦となった。
オレは、救われたと思ったが、何も終わってなんていない。
始まってしまったんだ、新たな戦いが。
巻き起こったんだ、新たな嵐が。
まるで心を失くしたかのような無の表情。
「ことちゃん、なんか変だった。やっぱり相当傷付いたんだよね...。あたし、何もしてあげられなかった」
それはオレもだ。
オレたちは同罪だ。
「百合野さんや波琉くんが悲しむことじゃないよ。悪いのは加害者だけ」
「そうかな...」
「そうだよ。それに私思うんだけど、加害者だって何の理由もなく湖杜さんを傷つけた訳じゃないと思うの。例えば、カレシを横取りされたとか。そういうので腹が立ってやっちゃったってことも考えられると思わない?だから結局...」
「あのさ」
百合野が立ち止まる。
よく見ると右手が強く握られている。
オレは、百合野の怒りを感じ、背筋が凍った。
「ちょっとこっち来て」
「おい!百合野!」
百合野は汐泉の腕を乱暴に掴み、空き教室に入った。
百合野は汐泉の腕を離すと、壁際まで汐泉を追い込み、真正面に仁王立ちして睨み付けた。
「なんでことちゃんが悪いって決めつけるの?!」
汐泉は俯いたまま何も答えない。
「ねえ、なんとか言いなさいよ!」
「百合野、落ち着け!」
「落ち着けるわけないじゃない!親友が悪者扱いされてんのよ!あんなひどい傷まで負わされたっていうのに、冗談じゃない!」
百合野は全く怯まない。
そりゃ、そうだ。
百合野にとって星名は、百合野の人生で1、2を争うくらい大切なヤツだから。
「ねえ、ちょっと聞いてんの?!黙ってないで、さっきみたいにはっきり言いなさいよ!
それとも、何?あんたがことちゃんをいじめたの?
うわっ、さいってえ!今すぐ先生に言いつけてやる!」
「勝手に犯罪者扱いしないで!あたしはやってない!そんな手荒いことする人じゃないって波琉くんが1番良く分かってる!そうだよね、波琉くん」
百合野がキリッとオレを睨み付ける。
汐泉がいつもの上目遣いでこちらを見てくる。
オレは、どう答えるべきなんだ?
どう説けば百合野も汐泉も納得してくれるんだ?
「波琉!」
「波琉くん!」
オレは...
オレは...
オレは...
どう思うんだ?
何を
誰を
どう思ってるんだ?
「オレは...」
「君たち、こんなところで何をしている?グランドフィナーレが始まるから、さあ、行くぞ!」
言いかけたところで、強面の体育教師が登場し、一時休戦となった。
オレは、救われたと思ったが、何も終わってなんていない。
始まってしまったんだ、新たな戦いが。
巻き起こったんだ、新たな嵐が。



