嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編

「では、次のお題に参ります!」



何が出るんだ?


オレは密かに手を交差させて祈った。


どうか、やりやすいお題になりますように。



「はい、出ました!お題は...一目惚れしてしまった転校生に告白、です!」



マジ、か...。


これ、星名と最初に練習したお題じゃん。



「設定と致しましては、転校してきた日から3ヶ月が経ち、転校生の子を好きな男子が出現してしまったという感じです。
さあ、このシチュエーションに青柳くんはどのように立ち向かうのでしょうか?
...それでは、ヒアウィーゴー!」



アイツ、絶対、直談判しやがったな。


"3ヶ月"以外、完璧にあの時のシチュエーションそのままだ。


星名、ありがとな。


やれるよ、これなら。


オレは堂々と歩いていった。


蘭役が反対側から出てくる。


彼女と向かい合った瞬間にスイッチオン。



「蘭さん」


「どうかした?」


「あのさ、今日の放課後空いてる?」


「うん、大丈夫だけど...」


「なら、皆が居なくなったのを見計らって出てきて。中庭で待ってる」



練習の時、星名に言われた。


特別感を出した方が良い、と。


皆が居なくなってから、で表現したつもりだが、大丈夫だろうか。



「はい、放課後になりました」



司会者がニヤニヤを抑えきれなくなってハンカチで口を押さえて言った。



「ごめん、待った?」


「うんうん。さっき出てきたばっかりだよ」


「そっか...なら良かった」



そして、間。


沈黙を上手く使いこなせれば、良い緊張感が生まれ、より女はドキドキするらしい。



―――青柳くんは真面目すぎるんです。


―――間を埋めなくてもいいんです。


―――話さなくても伝わることって、ありますから。



そう、アイツに言われた。


今、ここで見ていたら喜んでくれたか?


オレ、頑張ってるから。


今、すげえ、頑張れてるから。



「あのさ、蘭さんってA君のこと好きなの?」


「えっ?」


「いや、なんか、最近よく話してるなあって思って...」


「別にそんなんじゃないよ。普通に日常会話」


「ふ~ん」



―――ちょっと焦らした方がよろしいかと。


―――ためてためての告白も、心臓に悪くて、キュンというよりズッギュンですが良いと思います。


―――オレ、嫉妬しちゃってます感、出して下さい。


―――嫉妬に燃える恋...ああ、素晴らしいですねぇ。



オレなりに入れてみたが、観客にはどう写ったのか?


かなり気になるが、ひとまず先に行きます。



「蘭さん、こっち向いて」



―――ボディタッチは必須ですね。


―――どんな恋愛ドラマ見ていても、そこではキュンってなりますもん。



「今から大事な話するから、よそ見なし。...いい?」



なんか、オレじゃないみたい。


スラスラ言葉が思い浮かぶし、それをきちんと言えている。


オレは両手を蘭の肩に乗せた。



「頬が淡いピンク色だ」


「えっ...」


「ピンクの胡蝶蘭の花言葉、知ってる?」



蘭が首を横に振る。


オレは頷いて一言。



「あなたを愛しています」