「あっ、そうそう。それであたしから相談、提案、アドバイスがそれぞれ1つずつあって...。まず、アドバイスから。カフェをやるなら、カフェを色々巡って、目指すコンセプトに合致して真似できそうなところを探すといいと思う」
「まあ、確かにそうだな。今日から時間と金が許す限り行ってみる」
星名にコンセプトがどうのこうのと言われた時からそうしようと思っていたから、特に新しい発見ではなかったのだが、それを言ってしまうと色々都合が悪いので黙っておくことにした。
「んで、相談ってのは?」
「ああ、それは最後が良かったんだけど、ま、いっか」
「最後がいいなら最後でもオレはいいけど」
百合野はブンブンと首を横に振った。
「実はね、あたし...好きな人が出来て...」
「ああ、星名のことか。オレには同性愛はわかんねえけど...」
「違うって!」
「へっ?」
なんだ、違うのか。
てっきり、相手は星名かと。
ってことは、普通に男?
「誰なんだよ」
「1年のミスターコンテストに出る子なんだけど...」
ふーん。
ミスターコンテスト、か。
自分をイケメンだと本気で思っちゃってる奴らがピカピカに磨きあげて女子の人気を集めようっていう、あれか。
オレとは無縁の世界だから興味が湧かないが、百合野の恋を応援しないと、これまた言われそうなので、テキトーに相槌を打っておく。
百合野の攻撃に怯えながら生きてる自分がなんかすごく情けないが、仕方ない。
なんだかんだ言って女の方が強いんだから。
「波琉はどんな風に告白したの?」
「は?」
「ってか、あんた、自分からコクったんじゃないの?!」
思い起こせば、告白したことは一度もない。
過去2回共、相手からされてそれをOKしたかそうでないか、だ。
「なあんだ。だったら話になんないじゃん」
「失礼だな。しゃあないから、オレがされて良かった告白を教える」
「まあ、いいや。じゃ、それで」
「好みの問題ももちろんあると思うけど、でもやっぱり、ストレートに好きだって伝えた方がいいと思う。回りくどいと分かりづらいし、変にカッコつけてるって思われかねないしな」
百合野はふんふんと相槌しながらオレの話を真剣に聞いていた。
あまりにも真剣な瞳に、オレの心は熱くなった。
こうなったら幸せになってもらうしかない。
オレも出来る限りの応援をしよう。
「百合野、恋は当たって砕けろ、だ。やると決めたら最後までやり抜くんだ。たとえ、どんなリスクがあったとしても」
「そっか。分かった。やれることをやってみる」
百合野はオレの熱い言葉に感銘を受けたようだが、よくよく思い返せば、このセリフは、星名パパの名ゼリフだ。
若者にも響いたんだって言ってあげたら、きっと喜ぶだろう。
「つうかさ、波琉、男を上げたよね。やっぱりカノジョがいるって強いなあ」
ま、オレも汐泉のカレシになって約5ヶ月だしな。
色んな意味で成長してくれないと困るんだが。
「よしっ!じゃあ、宣誓!私、園田百合野は最後まで恋を諦めないことをここに誓います!」
「よっ!それでこそ、園田百合野だ!」
オレの煽りで若干照れていたようだが、それも一瞬だった。
急にニヤニヤしながらこちらを見てくる。
「なんだよ」
不適な笑みをたたえる彼女にそう呟くと、彼女は答えた。
「波琉、ミスターコンテストに参加しない?」
...は?
今、何っていった?
「もしもーし、波琉さあん」
「今、何て」
「はい?」
「今、何て言ったんだよ!」
百合野の笑いかたが次第に悪魔のようになる。
今日一番の目的はもしかして...。
「ミスターコンテストに出ないかっていったの」
「ふざけんな!だってそんなの去年無かったじゃねえか?!」
「まっ、そうなんだけどね。ことちゃんが提案してくれたの。女性がやるなら男性もやりましょうって。そしたら赤星くんがやる気になっちゃってね。それで数日前から募集してるんだ。んで、募集してる中で、さっき話した子に出会っちゃって...好きになったの」
「オレは出ねぇよ」
なんでミスターコンテストなんてそんな馬鹿馬鹿しいやつに出なきゃならないんだ。
実行委員だし、そんなのやってる場合じゃねえんだよ!
ったく、冗談は止めてくれ。
「そう言われると思ったから、ちゃんと手は打ってある」
「何したってオレは出ないからな」
「実はね、ミスターコンテストでグランプリになると100万もらえるの。それ以下でも得票数かける1000円もらえるから。
ま、1票でも入れば1000円はゲット出来るって仕組みなんだけど。
外部者には投票券がないからなんとも言えないけど、波琉の場合、確実に朱比香が入れてくれるから、いいじゃない!」
「汚いやり方だな」
「ちょっとした小遣い稼ぎだと思って。ね、やってみよう」
...はあ。
やりたくねえなぁ。
でも、金が貰えるなら、
うまくいけば1日で何万も手に入れることだってできるなら、
めっちゃ時給のいいバイトだと思ってやってみてもいいか。
「どうする?やる?」
「オレは...」
「まあ、確かにそうだな。今日から時間と金が許す限り行ってみる」
星名にコンセプトがどうのこうのと言われた時からそうしようと思っていたから、特に新しい発見ではなかったのだが、それを言ってしまうと色々都合が悪いので黙っておくことにした。
「んで、相談ってのは?」
「ああ、それは最後が良かったんだけど、ま、いっか」
「最後がいいなら最後でもオレはいいけど」
百合野はブンブンと首を横に振った。
「実はね、あたし...好きな人が出来て...」
「ああ、星名のことか。オレには同性愛はわかんねえけど...」
「違うって!」
「へっ?」
なんだ、違うのか。
てっきり、相手は星名かと。
ってことは、普通に男?
「誰なんだよ」
「1年のミスターコンテストに出る子なんだけど...」
ふーん。
ミスターコンテスト、か。
自分をイケメンだと本気で思っちゃってる奴らがピカピカに磨きあげて女子の人気を集めようっていう、あれか。
オレとは無縁の世界だから興味が湧かないが、百合野の恋を応援しないと、これまた言われそうなので、テキトーに相槌を打っておく。
百合野の攻撃に怯えながら生きてる自分がなんかすごく情けないが、仕方ない。
なんだかんだ言って女の方が強いんだから。
「波琉はどんな風に告白したの?」
「は?」
「ってか、あんた、自分からコクったんじゃないの?!」
思い起こせば、告白したことは一度もない。
過去2回共、相手からされてそれをOKしたかそうでないか、だ。
「なあんだ。だったら話になんないじゃん」
「失礼だな。しゃあないから、オレがされて良かった告白を教える」
「まあ、いいや。じゃ、それで」
「好みの問題ももちろんあると思うけど、でもやっぱり、ストレートに好きだって伝えた方がいいと思う。回りくどいと分かりづらいし、変にカッコつけてるって思われかねないしな」
百合野はふんふんと相槌しながらオレの話を真剣に聞いていた。
あまりにも真剣な瞳に、オレの心は熱くなった。
こうなったら幸せになってもらうしかない。
オレも出来る限りの応援をしよう。
「百合野、恋は当たって砕けろ、だ。やると決めたら最後までやり抜くんだ。たとえ、どんなリスクがあったとしても」
「そっか。分かった。やれることをやってみる」
百合野はオレの熱い言葉に感銘を受けたようだが、よくよく思い返せば、このセリフは、星名パパの名ゼリフだ。
若者にも響いたんだって言ってあげたら、きっと喜ぶだろう。
「つうかさ、波琉、男を上げたよね。やっぱりカノジョがいるって強いなあ」
ま、オレも汐泉のカレシになって約5ヶ月だしな。
色んな意味で成長してくれないと困るんだが。
「よしっ!じゃあ、宣誓!私、園田百合野は最後まで恋を諦めないことをここに誓います!」
「よっ!それでこそ、園田百合野だ!」
オレの煽りで若干照れていたようだが、それも一瞬だった。
急にニヤニヤしながらこちらを見てくる。
「なんだよ」
不適な笑みをたたえる彼女にそう呟くと、彼女は答えた。
「波琉、ミスターコンテストに参加しない?」
...は?
今、何っていった?
「もしもーし、波琉さあん」
「今、何て」
「はい?」
「今、何て言ったんだよ!」
百合野の笑いかたが次第に悪魔のようになる。
今日一番の目的はもしかして...。
「ミスターコンテストに出ないかっていったの」
「ふざけんな!だってそんなの去年無かったじゃねえか?!」
「まっ、そうなんだけどね。ことちゃんが提案してくれたの。女性がやるなら男性もやりましょうって。そしたら赤星くんがやる気になっちゃってね。それで数日前から募集してるんだ。んで、募集してる中で、さっき話した子に出会っちゃって...好きになったの」
「オレは出ねぇよ」
なんでミスターコンテストなんてそんな馬鹿馬鹿しいやつに出なきゃならないんだ。
実行委員だし、そんなのやってる場合じゃねえんだよ!
ったく、冗談は止めてくれ。
「そう言われると思ったから、ちゃんと手は打ってある」
「何したってオレは出ないからな」
「実はね、ミスターコンテストでグランプリになると100万もらえるの。それ以下でも得票数かける1000円もらえるから。
ま、1票でも入れば1000円はゲット出来るって仕組みなんだけど。
外部者には投票券がないからなんとも言えないけど、波琉の場合、確実に朱比香が入れてくれるから、いいじゃない!」
「汚いやり方だな」
「ちょっとした小遣い稼ぎだと思って。ね、やってみよう」
...はあ。
やりたくねえなぁ。
でも、金が貰えるなら、
うまくいけば1日で何万も手に入れることだってできるなら、
めっちゃ時給のいいバイトだと思ってやってみてもいいか。
「どうする?やる?」
「オレは...」



