嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編

赤星くんは壁ドン体勢から直ると、わたしの腕を勢い良く掴み、さっきの部屋の逆方向まで走り、エレベーターに乗った。


行き先は3階。


家政婦の方にも不審な目で見られながらの大移動。


それに加え、さっきからずっと赤星くんと2人きりというこの状況...。


もう、どきどきと冷や汗が止まらない!


心臓が何個あっても足りません!



―――ピンポーン。



エレベーターの扉が開く。



「ことちゃん、こっち」



そう言われなくても引きずられているから行くしかないんだけど。


赤星くんの顔をちらりと窺う。


...楽しそう。


どうして、そんなに楽しそうなの?



「ことちゃん、着いたよ」


「ここは?」



赤星くんがまたふふっと笑う。


でもさっきとは違う。


なんか、


わたしを...


わたしの何かを...


狙ってる。


...ような気がする。



「さあ、入って」



言われるがまま足を踏み入れると、そこには想像以上の光景が広がっていた。


左の壁には本棚がずらりと並べてあって、社長様がお座りになられるようなふっかふかの椅子に、高級そうな勉強机とおぼしきものが置かれていた。


そして、右側には、お姫様が寝るような天蓋ベッドとハンガーに掛けられたドレスが何着かあった。



「選んでいいよ。この中から好きなやつ。ウォーキングの時に着る用とフィナーレで着る用と2着」


「えっ...2着ですか?!わたし1着決めるだけで精一杯です」


「じゃあ、俺が選んであげる」


「あっ...ありがとうございます」



赤星くんがドレス選定に入る。


わたしは1着1着じっくり見ながらどれが似合いそうか、どれなら可愛いか、どれなら多少なりとも美しく見えるか考えていた。