嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編

そんな星名を視界から追い出し、オレは黙々と弁当を食った。


最近は朱比香様の干渉も無くなり、1人教室で廊下からのファンの視線を感じながら食っていたが、外の空気を吸いながら、秘密基地で食うのも悪くない。



「あっ!青柳くん、ずるいです!わたしに黙って食べ進めるなんて卑怯です!」


「卑怯って、オレなんも悪いことしてねえけど。ただ貴重な昼休みを有効に使うために弁当を早くくっちまいたかっただけ」


「だからと言って、わたしに何も言わずに食べ始めるのはどうかと。せっかくですから、仲良くお話ししながら食べましょうよ」



仲良くお話ししながら...。


星名さーん、あなた、一体何歳ですか?


いい加減、直せよな、その発想。


幼稚くさいったらありゃしない。


星名には構わず、おかずとご飯を交互に口に入れる。



「青柳くんのお弁当、美味しそうですね!」


「まあな。毎日料理してるだけあるだろ」


「少し頂いてもよろしいですか?わたしのおかずあげますので」


「どこまで図々しいんだよ、お前は」


「図々しいのがわたしなので」



ああ、そうだ。


よく、お分かりで。


星名は、オレの弁当箱から大事にとっておいた卵焼きを1つ取り上げると自分の弁当箱から卵焼きを1つこちらに移動させた。


なんとも奇妙な卵焼きのトレードだ。



「うん!おいっしい!あの時食べた卵焼きです!わたし、気に入ってしまって。ならば毎日でも食べたいくらいなんです!」



だ、か、ら、


オレを殺す気?


毎日食べたいとか言われたら...なあ...。


困るよ。


これ以上、オレの心をかき乱さないでくれ。


オレは混乱を紛らわすべく、星名の卵焼きを口に放り込んだ。



あっ...。


これは...。



「うまい」


「美味しかったですか?!お口にあったようでしたら良かったです!」



やっぱり、こいつ、料理上手だな。


オレの卵焼きとは違って少し甘めでしっとりしている。


優しい味だった。



「それでは、くっつけ大作戦の作戦会議をしましょう」



ここに集まった本来の目的はそうだった。


オレはいろんな意味でお腹いっばいだから、もうどうでもいい。


しかし、そうも言っていられない。


誰も傷付かず、円満解決を望むならやるべきことはただひとつ。


園田百合野と白鷺未悠をくっつけること。