「オレ、正直面倒だな、って思っちゃったんだよ。カノジョに優しくするのが男の務めなのにな。何、やってんだか...」
オレのくだらない話を星名は愚痴1つ言わず、黙って真剣に聞いていた。
自分から話し出しておいてナンだが、なんか、すっげえ、申し訳ない。
百合野と白鷺のことでいっぱいいっぱいのはずなのに、オレと汐泉のことまで相談されて、いくら星名でもキツいよな。
「星名...ごめん。今のはBGMだと思って流してくれればいいから。深く考え込まなくていいからな」
といったのだが、星名は意外な言葉を口にする。
「わたし、青柳くんを全力サポートしますね」
「お前、今のオレの言葉、聞こえた?」
「はい、しっかり聞きました。しかし、それではわたしが青柳くんと友だちになった意味が分かりません」
どうやら、星名湖杜のお節介モードにスイッチが入ったようだ。
となれば、何を言っても無駄だ。
彼女がやりたいようにやってもらうしかない。
さあ、どう出る?
「青柳くん!」
「はいはい。何でしょう?」
「練習、しましょう」
...は?
練習?
一体、オレは、何の練習をさせられるんだ?
「女性の気持ちを理解し、胸キュンなセリフを言う練習です。ほら、ミスターコンテストでもやるじゃないですか。色々なシチュエーションでの胸キュン告白って」
そういえばそうだった。
昨日はそのことでさんざん怒っていたのに、その他のことが強烈すぎて忘れていた。
たしかにオレのような恋愛初心者は、練習の必要がある。
だからって、どうやって練習するんだよ。
「練習方法は?」
「わたしが練習相手になります。シチュエーションはわたしが考えてきます。大変申し訳ないのですが、わたしのことを好きになってしまったという設定で演じて頂けませんか?」
まあ、なかなかいいアイデアだとは思うが、最近のオレはちょっとおかしい。
星名を妙に意識してしまうんだ。
恋愛感情なのかどうかは分からないが、何か特別な感情を抱いていて敏感になっているのは確か。
このままでは心がもたない。
心労が積もるだけだ。
止めてもらおう。
「星名、悪いんだけど、できねえわ、オレ。俳優でもねえし。汐泉以外に好きっていう感情持てない」
オレがそういうと、星名の頬が膨らんだ。
なんだ、なんだ?!
陸上にフグ発生!
「それは困ります!」
「困るも何も、出来ないんだからしょうがないだろ?」
さらに膨れ上がる星名フグ。
進化して陸上に上がってきてしまったようだ。
「あのさ、そんな膨れなくても」
「青柳くんは分かってません!」
「は?何を?」
「胸キュンセリフを習得し、すらすら言えないと、コンテストのグランプリも、真砂さんの心も手に入れられないってことです!」
―――その通りだな。
図星だった。
「ここで諦めてしまえば、きっとこの先も後悔します。あの時、真面目にやっていればって。そうなってほしくないから、わたしは青柳くんに言っているんです」
星名の瞳を見て思った。
星名を信じよう。
頑張ろう、と。
オレは、決心した。
「やるよ、練習。約1ヶ月間、オレの想い人役、よろしくな」
「はい!喜んで女優をお引き受けします!」
と、にこにこしていた星名だったが、急に暗雲立ち込めたる表情になった。
「おい。どうした?」
半べそ状態になる。
ころころと移り変わる表情を見て、オレは確信した。
「星名、お前、女優に向いてるわ」
「それはいいんです」
ったく、ほんと、失礼なヤツだ。
将来の職業を提案してやったのに、あっさり却下しやがって。
女優なら1本ヒットすりゃ、次々仕事が舞い込んできてあんな食堂やらなくても食べていけるようになるんじゃね?
もったいないなあ。
「青柳くんはアップルボビングをご存じですか?」
「まあ、なんとなく」
水槽かなんかに水を入れてリンゴを浮かべて、その浮かんでるリンゴをくわえて取り出すってゲームだろ?
芸人とかアイドルとかがやっているのを見た記憶がある。
しかし、なぜ今?
―――もしかして...。
「ミスコンではそれをやるんです。わたし、やったことないですし、水も嫌いで、洗顔さえ苦痛なに、一体どうすればいいんでしょう?」
そんなやつが、よくもまあ、1ヶ月前、海に飛び込めたな。
感心するわ。
―――仕方ない。
手伝ってもらうから、オレも星名に手を貸そう。
「オレ、バイト先で使わなくなった水槽がないか探してくる。もし、あれば、今度星名ん家に届ける」
オレのその一言に、星名は喜びを隠しきれず、ぴょんぴょん跳ね出した。
あなたは、うさぎですか?
と聞きたくなるくらい、見事なジャンプ力だった。
オレのくだらない話を星名は愚痴1つ言わず、黙って真剣に聞いていた。
自分から話し出しておいてナンだが、なんか、すっげえ、申し訳ない。
百合野と白鷺のことでいっぱいいっぱいのはずなのに、オレと汐泉のことまで相談されて、いくら星名でもキツいよな。
「星名...ごめん。今のはBGMだと思って流してくれればいいから。深く考え込まなくていいからな」
といったのだが、星名は意外な言葉を口にする。
「わたし、青柳くんを全力サポートしますね」
「お前、今のオレの言葉、聞こえた?」
「はい、しっかり聞きました。しかし、それではわたしが青柳くんと友だちになった意味が分かりません」
どうやら、星名湖杜のお節介モードにスイッチが入ったようだ。
となれば、何を言っても無駄だ。
彼女がやりたいようにやってもらうしかない。
さあ、どう出る?
「青柳くん!」
「はいはい。何でしょう?」
「練習、しましょう」
...は?
練習?
一体、オレは、何の練習をさせられるんだ?
「女性の気持ちを理解し、胸キュンなセリフを言う練習です。ほら、ミスターコンテストでもやるじゃないですか。色々なシチュエーションでの胸キュン告白って」
そういえばそうだった。
昨日はそのことでさんざん怒っていたのに、その他のことが強烈すぎて忘れていた。
たしかにオレのような恋愛初心者は、練習の必要がある。
だからって、どうやって練習するんだよ。
「練習方法は?」
「わたしが練習相手になります。シチュエーションはわたしが考えてきます。大変申し訳ないのですが、わたしのことを好きになってしまったという設定で演じて頂けませんか?」
まあ、なかなかいいアイデアだとは思うが、最近のオレはちょっとおかしい。
星名を妙に意識してしまうんだ。
恋愛感情なのかどうかは分からないが、何か特別な感情を抱いていて敏感になっているのは確か。
このままでは心がもたない。
心労が積もるだけだ。
止めてもらおう。
「星名、悪いんだけど、できねえわ、オレ。俳優でもねえし。汐泉以外に好きっていう感情持てない」
オレがそういうと、星名の頬が膨らんだ。
なんだ、なんだ?!
陸上にフグ発生!
「それは困ります!」
「困るも何も、出来ないんだからしょうがないだろ?」
さらに膨れ上がる星名フグ。
進化して陸上に上がってきてしまったようだ。
「あのさ、そんな膨れなくても」
「青柳くんは分かってません!」
「は?何を?」
「胸キュンセリフを習得し、すらすら言えないと、コンテストのグランプリも、真砂さんの心も手に入れられないってことです!」
―――その通りだな。
図星だった。
「ここで諦めてしまえば、きっとこの先も後悔します。あの時、真面目にやっていればって。そうなってほしくないから、わたしは青柳くんに言っているんです」
星名の瞳を見て思った。
星名を信じよう。
頑張ろう、と。
オレは、決心した。
「やるよ、練習。約1ヶ月間、オレの想い人役、よろしくな」
「はい!喜んで女優をお引き受けします!」
と、にこにこしていた星名だったが、急に暗雲立ち込めたる表情になった。
「おい。どうした?」
半べそ状態になる。
ころころと移り変わる表情を見て、オレは確信した。
「星名、お前、女優に向いてるわ」
「それはいいんです」
ったく、ほんと、失礼なヤツだ。
将来の職業を提案してやったのに、あっさり却下しやがって。
女優なら1本ヒットすりゃ、次々仕事が舞い込んできてあんな食堂やらなくても食べていけるようになるんじゃね?
もったいないなあ。
「青柳くんはアップルボビングをご存じですか?」
「まあ、なんとなく」
水槽かなんかに水を入れてリンゴを浮かべて、その浮かんでるリンゴをくわえて取り出すってゲームだろ?
芸人とかアイドルとかがやっているのを見た記憶がある。
しかし、なぜ今?
―――もしかして...。
「ミスコンではそれをやるんです。わたし、やったことないですし、水も嫌いで、洗顔さえ苦痛なに、一体どうすればいいんでしょう?」
そんなやつが、よくもまあ、1ヶ月前、海に飛び込めたな。
感心するわ。
―――仕方ない。
手伝ってもらうから、オレも星名に手を貸そう。
「オレ、バイト先で使わなくなった水槽がないか探してくる。もし、あれば、今度星名ん家に届ける」
オレのその一言に、星名は喜びを隠しきれず、ぴょんぴょん跳ね出した。
あなたは、うさぎですか?
と聞きたくなるくらい、見事なジャンプ力だった。



