『これより生徒会役員からの挨拶─────
「「「きゃーっ!!!」」」』
さっきまで寝ている人もいたくらい静かだった体育館に叫び声が響く。
何事っ!
と思ってステージを見ると、眼鏡かけた真面目そうな人達がいるだけだった。
ん???叫ぶほどの人達なのかな?
よくよく周りを見ると皆後ろの入口を見ていた。
皆立っているせいで全然見えないけど、何かすごい人たちがいるみたい。
『【陽炎】だ!』
『鬼島先輩カッコよすぎ...』
『きゃーっ!天馬様ー!』
『なぎちゃん先輩かわいいー♡』
『りょーくん♡♡♡』
『凛先輩かっこいいっ!』
女も男も関係なく見えない【陽炎?】に向かって叫んでいる。
んー全然見えない。
仕方ない、椅子の上に立つか。
ギシッ
椅子の上に立つと、視界が開けてよく見えるようになった。どうやら彼らは上級生らしい。
私達1年は赤いネクタイをしているが、彼らは青いネクタイをしている。
青ってことは2年生かな?
5人とも何か不良っぽいけど、
これだけは分かる。多分あれは『イケメン』だ。
私は余りそういうのに注目しないから、鈍い方だけど、そんな私でも分かる。皆『カッコイイ』
「ねぇねぇ、あの人たち何か有名人?」
隣の気弱そうな男子に聞いてみると、
「あっ!えと、
すごく有名だよ!知らないの?
この辺じゃ知らない人はいないほど
強い不良グループ【陽炎】だよ!」
ほへぇー
それはすごいな
確かに強そう。
椅子から降りるとき
5人の中で真ん中にいた赤っぽい髪の男と、
目が合ったのは気の所為だと思いたい。
