チュッと唇に触れるだけの優しいキス。
目と目が合う。
ドキドキして、何も考えられない。

「ホントにいいの?」
「こっ、ここまで来てそんなこと聞かないで」
「辞めるなら、今のうち。これから先は引き返せないよ」
「ゆうちゃんは辞めたいの?」
恥ずかしくて、そう聞き返すのが精一杯だった。

「僕が辞めたいって、思ってると思う?だったら僕もまだまだ甘いね。僕は今、結衣の事を抱きしめたくてどうしようもない。イヤだって言っても、そのお願いは聞けない。僕だって男だからね」そう言ってニコッと笑う。
私がその笑顔に弱いのを知っているのに。
なんて答えていいのか分からず、そっと首元に抱きついた。