「終了3分前」
静かな部屋に宮田先生の声が響く。
考えても答えが出てこない。

「はい、終了」
ペンを置いて、ため息を一つ。

狭い病室に担任と副担。そして私。
学校の先生と原田先生の計らいで病室で期末テストを受けさせてもらった。

一時は下がっていたのに、微熱が続き、薬での調整もつかず結局退院できずに、予定の3週間が過ぎた。

「期末テストお疲れ、また全部採点できたら、成績表と一緒に持ってくるからな」
「成績がわるかったら、補習あるんですか?」
「そりゃあるさ。卒業したけりゃ、受けるんだな。補習の心配するほど、出来が悪かったか?」
「さぁ、どうかな。あんまり勉強できなかったし」
「まぁ、今は補習より、退院の事を考えとけ。じゃあ帰るわ」
そう言って2人は帰って行った。

やっと終わった期末テスト。
ベッドにもたれ、外をみる。
期末が終わればきっとみんな、夏休みモード。
夏休みまでに退院できるだろうか。
目を閉じて、セミの声を聞いていた。