数日が過ぎた、ある日。
微熱はあるものの日常を取り戻しつつあった。

担任の宮田先生が見舞いに来た。
「どうだ?調子は。クラスのみんなも心配してるぞ」見舞いの品だと言いながら、ジュースやゼリーをドサドサ机に置いていく。

「だいぶ良くなりました。」
「退院の予定はあるのか?」
「さあ、まだ主治医の先生からは何も聞いてませんけど、何か?」
「来週から期末テストだ。もし、受ける気があるなら主治医の先生と相談して、ここで受ける事も出来るから、それを伝えにきた」
「えー。もうテストの時期ですか?早くないですかー?」
「早いっつても、来週から7月だぞ」
「そっか。外は暑いんだろうな…また主治医の先生に聞いてみます。退院のこと」
「うん、頼む。あんまり長居すると体に障るからそろそろ帰るわ」
せっかく来てくれたのだからと、近くのエレベーターまで見送る事にした。