しばらくして原田先生が部屋に来た。
「結衣ちゃん。気分はどう?頭痛かったりしてない?」
「先生…少しだけ。でも大丈夫」
「キミの大丈夫は当てにならないよ」
そう笑って看護師さんからカルテを受け取り
「血圧は大丈夫そうだね。でも熱が高いからしばらくは安静に。少し胸の音だけ聞かせてくれ る?」

聴診器を耳にかけた。自分で診察の準備をしようとしたが、思うように体が動かない。
それに、そこは看護師さんが早かった。
「深呼吸しててね」
ゆうちゃんの優しい声は安心する。そんな事を考えていた。

「ん。いいよ。良くはないけど、悪くもないね。分かってると思うけど、しばらく入院ね。ご家族には連絡してあるから。」
喋るのも億劫でただ、頷いた。
「はっきりとは言えないけど、2、3週間ぐらいかな」そう言いながらカルテを記入していた。

「何かあったらナースコール押してね」
そう言って先生と看護師さんは部屋から出ていった。