みんなの進路が決まり、嬉しいはずなのに少し寂しい。それが卒業ってこと。

「ゆうちゃんは学生の時の友達と今もあったりするの?」
「高校の時の友達はもう長いこと会ってないなぁ…大学の友達は一人いるよ。連絡たまにとってる人。まぁでもお互い忙しいから、そんにな会わないけどね」
「ふーん。その人もお医者さんなの?」
「うん。親父さんの後継いで、医者してるよ」
「そうなんだ。でも学生の時のゆうちゃんって何だか、想像できない。どんなだったの?」
「どんなって普通だよ。適当に勉強して、バイトして、その延長線上が今。まぁでも友達は大切にしなよ。なんだかんだ言って一生の友達になるんだから。大人になってからは、友達なんて言える関係の人はなかなかできないよ」
「そうなの?」
「だって、仕事で知り合った人は職場の人。仕事関係の人でしょ。そんな腹割って話すような深い付き合いはないし、異性だって恋人であって友達ではないでしょ。僕はだけどね。そりゃ今の時代だから、ネットで繋がる友情もあるだろうけど、僕はそう言うのには疎いから」
「ふーん。そんなもんか…なんか難しい」
「結衣の頭から煙がでない内に、この話はおしまいにしよう」