針が刺さった瞬間にやはり後悔する。
ゆうちゃんの嘘つき。痛いじゃん!って。

掴まれている腕を痛みから逃れようと動かせば
「動かない!手、痺れてない?もう少し我慢して。ハイ、終わったよ」
涙目で無言で睨んで見る。
注射器を片付け、割と力強く部位を押される。
「痛い痛い痛い!そんな強く押さないで!!」
「これぐらいしなきゃ、後で腫れるぞー。余計に痛くなるよー」
さらに、睨むとハイっと、反対の手を取り部位の上に重ねる。
「よく、揉んでおいて」
「8℃越えてるから、すぐには引かないと思うけど明日の朝には引いてるはずだよ。よく頑張りました」
ニコッと笑ってカーテンを閉め出て行った。