キミのとなり

ガサガサと物音がして目が覚めた。
「…ママ?」
「あっ、起きた?看護師さんに聞いたよ。インフルエンザなんだって?やっぱり最初に行った病院。ダメねあそこ。その時に検査してればもっと早く治ったんじゃない?48時間以内だっけ?薬が効くのって」
ブツブツと文句をいいながら、パジャマや洗面用具を棚に並べてくれた。
「あの先生はなんだか好きになれない。それになんかインフルエンザの検査だって下手くそっぽい。ただでさえ、痛いのに下手な医者にされたくない」
ママに同調して、愚痴を並べる。
「あら珍しい。あなたがお医者さんの選り好みするなんて」
「だって、ホントの事だもん。ところでそれ何?」
ママが棚の上にチョコンと有名なテーマパークのネズミのぬいぐるみを置いていた。
「来年、ネズミ年だからね。適当なねずみがこれしか見当たらなかったから。一応ねお正月気分」
優しいのか適当なのか、ママのそんな性格に少し呆れてしまう。