キミのとなり

「…結衣ちゃん、何やってるの?」
突然声がしたかと思えば、部屋の入り口に看護師さんとゆうちゃんの姿があった。
呆れた顔で二人とも私を見ていた。

「足がつったか、何かのストレッチ?」
笑いながらゆうちゃんが側へやって来た。
「違います。ちょっとお水が欲しかっただけ」
ムッとして答えれば
「はい、どうぞ」看護師さんが、ぐちゃぐちゃになった布団を整えながら渡してくれた。
「でも飲めないの」
水さえ取れなかった情けなさと、変な所を見られた恥ずかしさで、怒ってそう答えると

「なるほど。目が覚めて、水が飲みたかったのに、体を起こせば目眩がして、取れなくて結局飲めずにイライラしてた。そういう事?」
「ご名答です」